山口県立美術館開館40周年記念・tysテレビ山口開局50周年記念「没後90年記念 岸田劉生展ー孤高なる絵画への道」

担当学芸員 矢追さんに本展覧会の見どころなどをお聞きしました

1.今回の展示について簡単にご紹介ください。

《麗子微笑》
重要文化財 1921年10月15日 油彩・麻布
東京国立博物館蔵 Image:TNM Image Archives
期間限定展示 11月2日(土)~12月8日(日)

明治から大正にかけて活躍した洋画家・岸田劉生の没後90年を記念した回顧展です。代表的な作品を中心に、北は北海道から南は九州まで、日本各地から169点もの作品が揃いました。初期の水彩画に始まり、ゴッホの作品に衝撃を受けた大胆な作風の作品、デューラーばりの細密な描写を突き詰めた作品、やがて日本画の制作に没頭していった時代の日本画など、劉生の画風の変遷がわかる、充実したラインアップでお届けします。

2.矢追さんから見た展示のみどころを教えてください。

《道路と土手と塀(切通之写生)》
※重要文化財 1915年11月5日 油彩・麻布
東京国立近代美術館蔵

岸田劉生と言えばやはり麗子像、というイメージがあるのではないでしょうか。本展覧会では、独特の微笑みで知られる《麗子微笑》のほか、前後期合わせると16点の麗子像に会えますよ!立っていたり、ワンピース姿だったり、笑っていたりと、様々な姿で描かれた麗子像をお見逃しなく。
また、細密な描写による画風の作品群の、執拗なまでの描写も必見です。人物の肌に生じたシワやホクロ、道端の草や地面に転がる石の一つ一つ、果物の表面の傷まであますことなく観察し、物の質感を見事に描き分けているところを存分にご堪能ください。

3.最後に一言、メッセージをお願いします。

《壺の上に林檎が載って在る》
1916年11月3日 油彩・板
東京国立近代美術館蔵

岸田劉生は、山口県徳山(現:周南市)の地で亡くなりました。38歳でした。今回は特別に、倒れる前に描いたという絶筆の銀屏風を、この山口会場にご出品いただいています。ぜひこの機会に、自己の目と判断を信じて、画家としての道を切り開いていった岸田劉生の比類なき画業をご覧いただき、岸田劉生と山口の関わりについても知っていただければと思います。この展覧会を通じて、一人でも多くの方に、岸田劉生作品の魅力に触れていただけることを願っています。

山口県立美術館開館40周年記念・tysテレビ山口開局50周年記念
「没後90年記念 岸田劉生展 孤高なる絵画への道」

開催期間 2019年11月2日(土) ~ 12月22日(日)
山口県立美術館HP https://kishida-riusei.com/
展示替え 【前期】11月2日(土) ~ 11月24日(日)
【後期】11月26日(火) ~ 12月22日(日)
※重要文化財《麗子微笑》は、12/8(日)までの期間限定展示です。
観覧料 一般1,300(1,100)円/シニア・学生1,100(900)円

※18歳以下無料。
※キャンパスメンバーズ加盟校の方は無料。
※高等学校、中等教育学校、特別支援学校に在籍の方等は無料。
※障害者手帳等をご持参の方とその介護の方1名は無料。

※シニアは70歳以上の方。
※( )内は前売りおよび20名以上の団体料金。

その他 特別展「雪舟の仏画 –初公開の《騎獅文殊・黄初平・張果老図》を中心に-」展も開催中
開催期間:2019年11月2日(土) ~ 12月8日(日)