特別展 「ハマスホイとデンマーク絵画」

担当学芸員 萬屋さんに本展覧会の見どころなどをお聞きしました

1.今回の展示について簡単にご紹介ください。

ヴィルヘルム・ハマスホイ
《背を向けた若い女性のいる室内》1903-04年 油彩
カンヴァス ラナス美術館 ©Photo: Randers Kunstmuseum

ときに「北欧のフェルメール」とも呼ばれるデンマークの画家ヴィルヘルム・ハマスホイ。近年、世界中で注目を集めています。本展は、そのハマスホイと、19世紀デンマーク絵画の傑作を紹介する、日本で初めての展覧会です。デンマーク国立美術館をはじめ、デンマーク、スウェーデンの主要な美術館から85点の珠玉の作品が山口に集結。展覧会は、東京都美術館と山口県立美術館の2館でのみの開催となりますので、全国的に見ても、非常に貴重な機会です。

2.萬屋さんから見た展示のみどころを教えてください。

ヴィルヘルム・ハマスホイ
《農場の家屋、レスネス》 1900年 油彩
カンヴァス デーヴィズ・コレクション The Davids Collection, Copenhagen

ハマスホイは2008年に国立西洋美術館で日本初の回顧展が開催されました。当時、日本では全く無名でしたが、口コミで評判が広まり、最終的にはおよそ18万人が展覧会に足を運びました。本展は、それから12年ぶりに開催されるハマスホイ展です。加えて、19世紀デンマーク絵画を併せてご覧いただくことで、ハマスホイの特異な才能を生んだ、デンマークの豊かな文化的伝統を感じていただける内容になっています。

3.最後に一言、メッセージをお願いします。

ヴィルヘルム・ハマスホイ
《室内―開いた扉、ストランゲーゼ30番地》 1905年
デーヴィズ・コレクション蔵 The David Collection, Copenhagen

現在、日本国内の美術館で見られるハマスホイの絵は、国立西洋美術館が所蔵する1点のみです。ハマスホイは作品数があまり多くないこともあって、海外の美術館から作品を借りるのが非常に難しい画家のひとり。本展に際しては、数年間にわたって交渉を続け、その結果、36点のハマスホイ作品を集めることが出来ました。前回の展覧会から12年経って、ようやく今回の展覧会が実現できましたが、次はいつになることやら、、、(あるいは「次」があるのでしょうか?)。この貴重な機会をぜひお見逃しなく!

■担当学芸員:萬屋 健司(よろずや けんじ) 山口県立美術館学芸課主任

特別展 「ハマスホイとデンマーク絵画」

開催期間 ~2020年  6月7日(日)
山口県立美術館HP https://artexhibition.jp/denmark2020/
開館時間 9:00~17:00 (入館は16:30まで)
休館日 月曜休館 (ただし、6月1日[ファーストマンデー]は開館)
特別展「ハマスホイとデンマーク絵画」は、 新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、
5/25(月)を目処に、開幕を見合わせ、美術館も休館いたします。
観覧料 一般1,500(1,300)円 / シニア・学生1,300(1,100)円
※シニアは70歳以上の方。
※キャンパスメンバーズ加盟校の方は無料。
※高等学校、中等教育学校、特別支援学校に在籍の生徒は無料。
※障害者手帳をご持参の方とその介護の方1名は無料。
※観覧料の( )内は、前売りおよび20名以上の団体料金。■18歳以下は無料