担当学芸員 福田さんに本展覧会の見どころなどをお聞きしました
1.今回の展示について簡単にご紹介ください。
葛飾北斎
《上町祭屋台天井絵 ⼥浪》
長野・小布施町上町自治会(北斎館寄託)
展示期間:7月7⽇〜8月30⽇
近年、江戸絵画の展覧会に大行列ができるなど、そのブームは社会現象にもなっています。皆さんは江戸絵画と聞いて、どんな絵師を想像するでしょうか。例えば、葛飾北斎は世界的にも有名ですが、昨今のブームの立役者は、伊藤若冲や曾我蕭白といった、強烈な個性で既存の表現の枠を打ち破った絵師たちです。本展は、有名・無名を問わず、江戸時代に全国で活躍していた絵師35人を紹介するもので、江戸絵画の面白さを堪能できる展覧会です。
2.福田さんから見た展示のみどころを教えてください。
絵金
《伊達競阿国戯場 累》
高知・香南市赤岡町本町二区
[展示期間:7月7日~8月2日]
俵屋宗達、尾形光琳、円山応挙・・・と江戸絵画のビックネームから、博多の仙厓や高知の絵金など各地で愛されている絵師まで、北は北海道、南は九州と全国の奇才の作品が勢ぞろいします。北斎でも今回展示するのは、浮世絵ではなく、北斎自らが筆をとった絵画。渦巻く波を描いた祭屋台の天井絵など、普段はなかなか見ることのできない作品の数々がお目見えします。今や大人気の若冲も、本展では野菜や虫を描いた、重要文化財の図巻など珍しい作品をご紹介します。
3.最後に一言、メッセージをお願いします。
重要文化財 伊藤若冲 《菜蟲譜》 部分 栃木・佐野市立吉澤美術館
展示期間:7月7⽇〜8月30⽇
今回展示する作品たちは、強烈なインパクトを放つものから、ゆるカワな描写にほっこり癒やされるものまで、表現が多彩かつ斬新なものばかりで、江戸絵画の豊かさや奥深さを思い知らされます。すべての作品に共通していえるのは、「一度見たら忘れられなくなる」魅力にあふれていること。ぜひ会場で、お気に入りの絵師や作品を探してみてください。江戸絵画ファンが山口に一人でも増えることを願っています。
■担当学芸員:福田 善子(ふくだ よしこ) 山口県立美術館普及課主任
特別展 「奇才-江戸絵画の冒険者たち-」
開催期間 | 2020年7月7日(火) ~ 8月30日(日) |
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山口県立美術館HP | https://kisai2020.jp/ |
開館時間 | 9:00~17:00 (入館は16:00まで) |
休館日 | 月曜休館 ※8/10(祝)は開館 |
観覧料 | 一般1,400円 / シニア・学生1,200円 ※シニアは70歳以上の方。 ※キャンパスメンバーズ加盟校の方は無料。 ※高等学校、中等教育学校、特別支援学校に在籍の生徒は無料。 ※障害者手帳をご持参の方とその介護の方1名は無料。 ※前売券および団体割引の販売はありません。 ※全てのお客様は、事前予約(⽇時指定)が必要です。 詳しくは⼭⼝県⽴美術館ホームページ(https://www.yma-web.jp/)へ。 ■18歳以下は無料 |